【良書の紹介】R8年5月『罪と罰』
『罪と罰』 著 ドストエフスキー
若者の過ちと救済を描いた人間心理に深く迫る本です。
貧しい元大学生ラスコーリニコフは、「大義のためなら犯罪も許される」という危険な思想から、悪徳金貸しの老婆を殺害します。完全犯罪のはずが、彼は激しい罪悪感と孤独感に苛まれ、精神的に追い詰められていきます。
そんな彼を救うのが、家族のために身を捧げる純真な娼婦ソーニャです。彼女の無償の愛と信仰心に触れた彼は、自らの罪を受け入れ、自首を決意します。流刑生活の中で、ソーニャの支えを受けながら少しずつ心を立て直していく。罪を犯した人間がどのように苦しみ、どのように救われていくのかが描かれており、犯罪者の心理描写がリアルで、現代にも通じる「正義とは何か」を深く考えさせられる作品です。
下林 裕宜