【頑張ろう関西】R6年10月 『学を為す、故に書を読む。』
『学を為す、故に書を読む。』
儒者である佐藤一斎の言葉です。一斎は、単に知識を得るためではなく、「自分を創るため」に書を読むことが大切だと説いています。
ただの本読みにならないようにするためには、どうすればよいのでしょうか?そのためには、「実践⇔読書」を繰り返し、学びを血肉にすることが必要なのだと思います。
私たちの業界では、会計や税法ひいては経営について、専門書等を読み込んで学び、また常に知識をアップデートしていかねばなりません。しかしながら、得た知識を実務に適切に活かし、顧問先の皆様や社会に活かせないと意味がないと言っても過言ではありません。仕事面でも「実践⇔読書」の繰り返しを意識しておく必要があるのですね。
もちろん、専門書以外の書を読むことも大切です。と言いますか、佐藤一斎の言う「学」は、むしろ「人間学=人が本来備えている徳性を養っていくための学問」のこと。一般的な学問のことではないと解されています。「自分を創る」ためには、専門書以外の書物を読むことこそ重要と言えるでしょう。
KVIの経営方針書では、「社員個々の人間力が商品である」と謳っています。当社では、会計・税務の知識に加え、一人ひとりの知恵と人間力の向上が、他社との差別化に繋がるとの考えを持っているのです。
では、社員個々の人間力を高めるためにどうすればいいのでしょうか?非常に難しい課題ではあるのですが、当社では、社員個々の人間力を高めるための仕掛けとして、「読書感想文」制度を設けています。業務時間外で書を読み、感想文を書いてもらうことは、正直、メンバーの皆さんには負荷になっていると思います。それでも良書に触れ、人間学を学ぶことで、自己肯定感の高い人間になることができる、苦難に直面したときでも自分の力で自分の道を切り開くことが出来る、と信じて、制度化している次第です。
私自身もいつまでも学び続ける姿勢を持ち続けていくことをここに誓います。
『少にして学べば、則ち壮にして為すことあり。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。』
岡森 久倫